掛軸の取り扱いに注意しましょう
床の間の掛軸はどんなものを掛けていますか。こちらでは、掛軸の取り扱いについてご紹介します。
掛け方
箱に入っている軸を取り出して掛紐を外し、紐下を取って畳に置きます。掛軸の上部である天まで広げ、上部から垂れ下がっている2本の風帯を伸ばし、折れ癖があれば指先で直します。紐に矢筈を掛けて反対の手で軸の中央を持ち、金具に紐を掛けて矢筈を抜きます。その間も軸はしっかり持っておきましょう。
矢筈を置いたら両手で軸先を持ち、最後までゆっくり垂れ下ろしていきます。左右の高さが合っているか確認し、まっすぐでない場合は自在掛けで慎重に調整します。
しまい方
下からすぐに巻いていくのではなく、腰の高さまで両手で軸先を持ち上げ、たるませてから緩めに巻いていきます。長い間掛けていた場合は、乾燥して折れてしまうことも考えられるので注意が必要です。胸の高さくらいまで巻けたら、ゆっくり締めるように巻いていきます。
ある程度巻いたら軸の中心を軽く持ち、反対の手で矢筈を持って金具から掛緒を外し、そのまま掛軸を下に向けて矢筈を抜いて風帯を垂らして巻き上げる、または畳に置いて風帯を巻き込まないように軸を巻いていきます。上部を少し残した状態で風帯をたたんでから紐下を巻き、掛紐を巻いて箱にしまいます。
お手入れと保管
掛軸を長持ちさせるためには、掛け方やしまい方だけではなく、お手入れや保管にも気をつけることが大切です。掛軸は、掛けているだけでもホコリをかぶります。掛けている場合、日々のお手入れではできるだけ柔らかい羽根ばたきを使って、ホコリを払うようにしましょう。
和紙や表装用裂地などを使った掛軸は湿気や乾燥に弱く、湿気ることでシミやカビ、傷みの原因にもなりかねません。
また、乾燥して反ったり硬くなったりすることがあるので、エアコンや扇風機、温風ヒーターなどの風が直接当たらないよう注意が必要です。
掛けっぱなしだと傷みやすくなるので、季節の変わり目など、定期的に違う掛軸に替えるのが理想的です。また、しまいっぱなしも良くないので、春や秋頃に虫干しすることをおすすめします。しまう際は、専用の防虫香も一緒に箱に入れるのがポイントです。
コメントを残す